23 6月, 2013

勾玉作り体験

出雲大社で参拝して、お蕎麦食べて、稲佐の浜(旧暦の10月10日に、この浜から全国の神様が上陸するそうです。すごいなー。)をウロチョロした後、出雲大社前駅から電車で約1時間15分くらいの、かの有名な玉造温泉へ勾玉作り体験(800円)に行った。玉造温泉駅に着いたら、まず「いずもまがたまの里 伝承館」に電話して体験したい旨伝えると、伝承館による無料送迎、もしくは駅前からタクシーに無料で乗れるのだ。

玉を磨く作業は、己の魂を磨く作業に
通じるものがあるかも。手をかけているうち
に、愛しくなってくるのです。視線を前方に
向けると、そこは宍道湖。作業に疲れたら
水面をぼんやり見るもよし。
我々3人を指導してくれたのは、心優しいソフトな関西弁の勾玉職人村田さん。
天然石で勾玉を作れると勝手に思い込んで行ったら、当然ながら硬い石を加工するには技術も時間もかかりすぎるってことで、蝋石(ろうせき)という加工しやすいやわらかい石(石は石。天然の。)を使用した体験だった。
一瞬、なーんだー蝋石かー、なんて頭の中でつぶやいたものの、15秒後には勾玉作りの鬼となって、血相変えてハマッてた。
3人ともおしゃべりもせずにマジメに作業するのを見て、「普段、何かモノ作りされてるんですか?なんか、そんな感じが…。」と村田さん。
「ハイ、そうなんです。ちょっと気合入ってまーす。完璧、目指しますよォ~。」なんて、多少ノリで言ったつもりが、村田さんは本気で受け取ってくれたみたいで、虫眼鏡で見ないとわからないような磨き残しの細かい傷まで見つけて鉛筆で印つけて、熱心に指導してくれた。


玉造温泉には、今ではほとんど採れなくなったという古代から最も貴重とされる青メノウを産出した花仙山がある。縄文時代から採掘されていた採掘場跡として保存されているめのう公園の場所まで教えてくれた。

1時間ほどで勾玉も完成し、修了書をもらう時に「ありがとうございます。じゃ、いつか機会があったら行ってみます。」と締めくくって去ろうとすると、「あ、今からめのう公園の入り口まで車で送ってもらえるように、事務のものに頼んできますよ。」と、村田さん、事務室へ行ってしまうでないか。
ええ~?私ら石を探しに行くほどの気迫に満ちておりましたか?
どこで採れるか場所は聞いたけど、行きたいって言ったっけー?と思いながらも、同行のHさんKさんに言うと「行ってみようかー」と言う。じゃー、せっかくだから行くか~、と何か目に見えない力に導かれるようだった。
しかも村田さんったら、青めのうで勾玉作りをした大学生の体験レポートをコピーまでとってくれて、「使う道具とか載ってますから、これ見ながら作らはったらええ思います~。」とやんわりとした関西弁でありながら、なにげに強力に薦めてくれる。なんだかやっぱり導きの力を感じたのだった。

Hさんが、どこで見たのか「村田さん、ドイツで修行してきたんだってー。スタッフ紹介のとこに書いてあったよ。」と言うやいなや、‘‘石をこよなく愛する石オタク‘‘のナイスキャラな職人さん、という認識から、「へ~、じゃあマイスター・ムラタ?すごいねー。ドイツのドの字もおくびにも出さず…。」と、急に肩書きに左右され尊敬の念を抱くゲンキンなオーバリーでありました。(実際の肩書きは、ドイツ宝石学協会会員だそうです。)

しかし、道なき道(道はあるが、え~?ここ行くわけ~?みたいな道…)を行くことになろうとは…。(続きは、また後日…。)

でも、行ってよかった。ありがとう、マイスター・ムラタ。