05 3月, 2013

お口の中は野戦場

本物のキリングフィールド(カンボジア)。
地雷の埋まった土地が、観光客が歩くそばに
まだたくさんある。私のお口の中も地雷原。
野戦場の意味ををネットで調べても、正確なものは出てこないが、イメージとしては、死体がゴロゴロころがった悲惨きわまりない戦場、って感じですか…。場所的には市街戦ではなく、ジャングルとか草原とか…。

その野戦場が私の口の中の状態である、と今日初めて行った歯科クリニックで言い渡された。死刑宣告とまではいかなくても、終身刑な感じ。

20代後半からのかかりつけだった歯科医院の先生が4年前に病気のため閉院されて、仕方なく隣り駅の設備のいい、アメリカで勉強したという先生のクリニックに行ったら、やたらと高いインプラントを薦めるのでイヤになり途中で行くのをやめた。それから3年近くやり過ごしていたら、問題だと思っていたところとは違う場所の奥歯が中の詰め物ごと割れ落ち、歯の前面部分だけが残っている状態になり、慌ててあるクリニックに予約を入れた。アクセサリーのワークショップをさせていただいているヒーリングショップ・月船さんのオーナーファミリーご推薦のクリニック。

そこにしたいと思ったのは、なるべく自分の歯を残すような治療方針だと聞いたから。
ホメオパシーなどの自然治癒力を高めるようなものも取り入れている、というところもなんだか親しみを感じたので。
普通はどこのクリニックも初診から削ったり詰めたりするが、初診の今日は1時間たっぷりと現状の全部の歯のチェックと歯肉(上下裏も表も)の状態チェックとレントゲン撮影とその画像を見ながらの問題点説明とこれからの治療方針の話し合い(というよりほとんどお話を聞いてた)で終わった。治療は来週から。

今は全く痛みもない歯もレントゲンで見ると、抜くべきだった親知らずを抜かなかったためや、以前の治療の不完全さによる悪化が見られる歯が何本かあり、「なぜ高校生のときにこんな差し歯なんてしたの?なぜ、この親知らずを抜くべきだと判断しなかったんでしょう?」とン十年経った今、私に聞かれても「歯科医がそう判断したから」としか答えられずに困った。
「こんなになるのは、貴女だけじゃないんです。皆さん、そうなの。そして貴女のせいでもないんです。」と、全国の歯科医を敵にまわしたいくらいな憤りを感じていらっしゃるようだ。
そして、歯科クリニックの先生を医者を呼ぶのは日本くらいだ、とおっしゃる。
欧米では歯科医院のことをデンタル・オフィスといい、「病院じゃないんですよ、オフィスなの」と言われる。そういわれてみれば、確かにそうだ。
ドクターじゃなくてデンティストと言うし、歯医者は医者じゃないんですよ、とおっしゃる。削って、詰めて、フィットする入れ歯作って、医者じゃなくて技師みたいなものだと。その今まで日本でまかり通って来た治療のあり方を変えたいのだそうだ。削って詰めての修理の「直す」じゃなくて、歯や歯肉の病を本当に「治す」治療をしたいのだとおっしゃった。

そんな先生にさえ「貴女の口の中は野戦場みたいなものです」と言われては、死体(死にかかっている歯)がゴロゴロで助からないのか、と一瞬思ったが、「時間かけて少しでもいい状態にもっていきましょう」と締めくくっていただいた。さて、どんな治療が待っているのだろう…。半分コワイ。半分は期待してますが…。
少なくとも患者が納得しない治療はされないようなので、その点は信頼がおける。歯科医院にありがちな「え?これでいいのかな。抜かないとだめなの?」と、作業進行中に心の中でムダな自問自答する、ってことはなさそうだ。

興味のある方は受診されてはいかかでしょうか。予約は早くて1ヶ月くらい先ですが。
気持ちのよい待合室と治療室です。待合室の畳の上で赤ちゃんが無邪気におもちゃで遊んでいました。
●みどりの杜歯科クリニック http://www.midori-no-mori.com/
最寄り駅:京王線分倍河原駅

-----------------------------------------------------------------------------------
そして、3時間以上駐輪したら撤去するぞー、と警告が書かれた府中駅周辺に8時間も駐輪してたら、撤去されとりました。警告は本当でしたね。
明日、2000円持って引き取りに行きますよー。
口の中だけじゃなくて、頭の中も野戦場…。