11 3月, 2013

お口の中は野戦場〜手仕事編

診察2回目の今日、割れ落ちた奥歯の応急処置をしてもらった。
昔、虫歯になって金属の詰め物をしていたところが、詰め物ごと歯が半分以上割れ落ちたのだ。当時の処置が不完全で、虫歯菌が残ったままフタをした状態だったから、木の幹の真ん中が腐ったようなもので、詰め物もろとも割れ落ちたのだそうだ。まだ、残った部分の歯にまだ悪い組織が残っていて、そこを削ってから、セメントで仮の処置をすることに…。

その「削り」の作業が、誰しも恐怖なわけで、これだけ大きく割れていれば、神経のある随はすぐそこ、って感じで、長年のかかりつけの歯科では麻酔してくれてたものだが、今日は麻酔なしで、「削り」作業開始。「痛かったら左手挙げてください」と言われ、最初両手を組んでいたが、すぐ挙げられるように手をはなした。
今だったら、離した二つの椅子に頭と足を置いて、おなかに人が乗せられるかもしれない、と思うくらい全身に力が入り硬直する。
最初、電動器具で削っていたが、後半はスクレーパーのようなものを使っての「手仕事」になった。
しかも、目をつぶっていたら「ハイ、鏡持って。」とおっしゃる。え?私に言ってるの?と思い、目を開けたら、小さな手鏡を渡され、悪い組織をスクレーパーで削り出すところを見せられた。「手でやった方が、細かく削れるんですよ。手でやると、やわらかい(つまり虫歯菌に犯された悪い組織)とこがわかるから。こうやってね、ホラ、木クズが出るみたいに削れるんです。健康なとこは硬くて簡単には削れないんです。」と言いながら私の患部の説明を丁寧にしてくださるが、先生のそのひと削りで、いつ神経にさわるか、いつ激痛が襲うか、鏡を見ながら気が気じゃなかった。超こわかった…。これが拷問なら、私はすぐにでも情報全部吐きます。
びくびくしながら左手を挙げる準備をしていたが、結局神経スレスレに病巣を掻爬していただき、さしたる痛みもなく終わった。

しかし、歯の治療に於いても、電動器具を使うより手仕事の方が繊細に作業できることもあるとは知らなかった…。手仕事って、すごい。
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待合室に口腔関連の学会の報告書が置いてあったので読んでみたが、他のクリニックでインプラントを薦められた時にやめといてよかった〜、と思うようなことがイロイロ書いてあった。まあ、私が思いとどまった一番の理由は経済的理由だけど、お金なくてよかった〜(苦笑…)。特に女性は閉経後、骨粗鬆症になりやすいので、そうなったときインプラントが入っていると、トラブルが起きやすいようだ。

医師(?)の方でインプラントの金額は自由に設定できるため、2〜3万の原材料費に対して高いところだと1本40万(もっとの場合も)ほどの金額がとれるからか、商売に走る方もいらっしゃるようだ。トラブルがないようにシッカリ施術してくれればいいが、お金に目がくらんで土台の骨の状態がよく見えないことがあるらしい。インプラント推進派の大御所・K教授でさえ、インプラントが”イロモノ”になってきている、と憂慮しておられた。

叔母の70代の友人がインプラントを8本入れたそうだが、インプラントはもともと、総入れ歯でひっかかりがない土台に1〜2本入れることで入れ歯を安定させるものであり、たくさん入れることを薦める医師がいたら、まず疑ってかかった方がいい。骨になじみがいい、とはいえ、異物であることに変わりない。しかも頭蓋骨というデリケートな場所に穴をあけるのだから、脳外科の手術を受けるつもりで慎重に…。
インプラントされる方は、くれぐれも慎重にクリニックを選びましょう。